大晦日の「年越しの大祓」と元旦の「初詣」からちょうど半年。
年の半分の節目となる6月末の「夏越しの大祓」に行ってきました。

夏の神社の涼やかで風情ある様子を写真多めでご紹介します。
また、「夏詣」を行っている全国の神社情報、参拝の方法などについてまとめました。


「夏詣」の最新情報

「夏詣」とは

私たち日本人は大晦日に「年越しの大祓」で一年の罪穢れを祓い清め、翌日の元旦に新しい年の始まりとして「初詣」を行います。

ちょうどそこから半年、「年越しの大祓」と同じく罪穢れを祓い清める「夏越しの大祓」が6月30日に神社で行われます。
この「夏越しの大祓」と、7月1日以降に年の半分の節目として神社・仏閣にお参りすることを併せて「夏詣」と呼びます。

「夏越しの大祓」は古くからの行事ですが、「夏詣」という言葉自体は2014年に浅草神社から提唱されたものだそうです。
とても新しい言葉なんですね!

2022年は「夏詣」という言葉が登場してわずか9年目にもかかわらず、全国津々浦々の神社・仏閣へ広がりを見せています。
そしてそれぞれの神社でそれぞれの「夏詣」の企画がされています。

「夏詣」で行われている行事や企画

「夏越しの大祓」をはじめ「夏詣」で企画されている、風情のある催しや楽しい企画の一例をご紹介します。

◇茅の輪くぐり

夏越しの大祓までの期間に「茅の輪(ちのわ)くぐり」が設置される神社が多くあります。
この輪をくぐって参拝することで、疫病や半年間の罪穢れを払うと言われています。


◇夏詣仕様の御朱印

夏詣期間中、御朱印の仕様が変わる神社もあります。
七夕やあじさいや花火など、夏らしいデザインの御朱印が楽しめます。
クリアタイプの夏らしく美しい台紙の御朱印を頒布する神社も。



◇夏を感じる飾りもの

涼しげな花手水や七夕飾りなど、夏の風情を感じさせてくれる飾りつけを行っている神社もあります。



◇夏詣特別メニュー

神社で御祓を受けた夏仕様の日本酒を「夏詣酒」として販売する日本酒蔵元もあります。
また、敷地内のカフェでかき氷など夏限定メニューが楽しめる神社もあります。



「夏詣」に参画している全国の神社

2022年6月末時点で、全国で365の神社・仏閣(神社343社・仏閣22寺)が夏詣に参画しそれぞれの企画を行っています。

お近くの神社・仏閣の夏詣情報をぜひチェックしてみてくださいね。

▼夏詣に参画している全国の神社・仏閣はこちらから検索できます
https://natsumoude.com/shrine/



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体験記|「夏越しの大祓」の神社にお参りしてきました

6月30日「夏越しの大祓」の日の神社に参拝してきました。

夏詣は初めてで、小旅行気分です✨



神殿の正面に茅の輪(ちのわ)が設置されていました。

近くに寄ると、笹のような草の良い香りがしました。
茅(ちがや)という草で編んだものだそうです。


Imperata cylindrica tigaya colony.jpg
画像出典:Wikipedia

茅(ちがや)を調べてみるとコレ(▲上の画像)でした。
道端や河原などでよく見かける草ですね。

茅の輪くぐりの由来

茅の輪くぐりはに日本神話に由来があるそうです。

日本神話によると、昔、素盞鳴尊(すさのおのみこと)が旅の途中、備後国の蘇民将来(そみんしょうらい)巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟に宿を求めました。
弟である巨旦将来は裕福にもかかわらず断ったのですが、貧しい蘇民将来は喜んで素盞鳴尊を泊めてもてなしました。

数年後に素盞鳴尊は再び兄の蘇民将来のもとを訪れ、「茅で作った輪を腰につけていれば疫病から逃れることができます」と教えました。

この逸話が元になり、無病息災を願って茅の輪を腰に付けたり、「蘇民将来」と書いた紙を門に貼るという信仰が生まれました。
茅の輪は時代がたつにつれて大きくなっていき、江戸時代頃からは現在のように人がくぐり抜けられる大きさになったそうです。



立派な茅の輪です。
大人数人が同時にくぐれちゃいます。

茅の輪(ちのわ)のくぐり方



茅の輪くぐりの方法を説明したリーフレットが貼ってあったので写真を撮ってきました。

古歌「水無月の夏越しの祓いする人は千歳の命のぶというなり」を唱えながら、

・左回りにくぐる
・右回りにくぐる
・再度左回りにくぐる


と八の字を描くように3度茅の輪をくぐり抜けるそうです。
最後は元の位置に戻ってくるので、お礼をして茅の輪の中を通って参拝するとのこと。

唱える言葉は他にも、

・思ふこと みなつきねとて 麻の歯を 切りに切りても 祓へつるかな(「後拾遺集」和泉式部)
・蘇民将来 蘇民将来


の2つが紹介されていました。

唱える言葉は、地域や神社によって様々なようです。
また、1周目〜3周目までそれぞれ違う言葉を唱える神社もあるとのこと。

参拝された神社の作法を確認してみてくださいね。

周りに参拝されている人が何人かいたので言葉を唱えるのをちょっとためらいましたが、せっかく来たので思い切り唱えながらくぐってきました❗️



参拝後、神殿の軒下に目を向けるとたくさんの風鈴が。

色とりどりの短冊が美しかったです。
風のある日だったので、ちりんちりんという音が鳴り響きとても気持ちが良く。
風鈴の音がするとなぜこんなにも涼しげに感じるんでしょうか。



七夕飾りと無料の短冊が用意されていました。
妊娠中なので、母子ともに無事で出産できるようお願いしました。



神殿からの帰り道。
社務所の軒先につるされた風鈴。
こちらもきれいです!

透明なガラスの鈴の中に、赤い紙で折られた鶴が入っていました。



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初めての夏詣は「日本の夏って素敵だな」の玉手箱でした。

今年の早すぎる梅雨明けと体にこたえる暑さに、夏を楽しむどころかうんざりしており「日本って暮らしにくいな・・」とまで思っていたのですが、久しぶりに夏の良さを感じることができました。

今日も今日とて過酷な暑さには変わりありませんでしたが、神社の境内には気持ちの良い風が吹いて無数の風鈴が鳴り響き、木陰の涼しさが癒してくれました。

全国で行われている「夏詣」に、ぜひ皆さまも参加されてみてはいかがでしょうか。



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