元保険外交員&フィナンシャルプランナーが教える、自動車保険・車両保険の正しい選び方&節約する方法
車両保険には入った方がいいの??
自動車保険の補償のひとつに「車両保険」があります。
以前の勤め先では自動車保険の取り扱いをしていたため、お客様からよく
『相手への保障は必要だと思うけど、自分の車の保障って本当に必要なの?』
と聞かれることがありました。
優先度の低い補償は削りたい、と考えるのはもっともなことだと思います。
今回の記事では、2014年〜2019年までの6年間保険外交の仕事をしていた経験とフィナンシャルプランナーとしての知識をもとに、正しい自動車保険の選び方について考えをまとめてみたいと思います。
車両の保障範囲は主に2種類しかない
車両保険の補償範囲は、主に以下の2種類しかありません。
- 車×車
- 車×車 & 自損事故(含む当て逃げ)
この2種類の補償範囲は、保険会社により違う名称で呼ばれています。
例えば、以下の表のような感じです。
1. 車×車 | 2. 車×車&自損事故 | |
---|---|---|
損保ジャパン | 車対車 限定保険 | 一般条件 |
東京海上、ソニー損保 | エコノミー | 一般条件 |
チューリッヒ | 限定カバー型 | ワイドカバー型 |
JA共済 | 車両損害限定 | 全損害担保 |
いろんな呼び方がありますね。
しかし内容については、保険会社による違いはほとんどありません。
車両の補償範囲については、自損事故・あて逃げの補償が付いているかいないかで選択します。
補償範囲によって何が変わるのか
補償範囲の違いによるメリット・デメリットは以下のとおりです。
補償範囲に「自損事故・当て逃げ」を含めない
(メリット)
掛金が安くなります。
年齢条件や等級、車種によっては年間数万円ものマイナスになることもあります。
(デメリット)
自損事故の場合に補償がされないので、急な高額出費に備えておく必要があります。
補償範囲に「自損事故・当て逃げ」を含める
(メリット)
自損事故の場合にも補償がされるので、急な高額出費を防ぐことができます。
(デメリット)
掛金が高くなります。
年齢条件や等級、車種によっては年間数万円ものプラスになることもあります。
自分に合った補償範囲は?
予算に問題がなく、充分な補償を優先される方は「自損事故・当て逃げ」を含む補償範囲にするのが良いと思います。
しかし、保険費用を減らしたいなど、「自損事故・当て逃げ」補償をつけるかどうかを悩んでいるお客様には、私は以下の点を確認して提案していました。
1 運転者は運転に慣れているか
免許を取り立ての方が運転される場合、自損事故が多い傾向があります。
その様な方が運転者の場合は、自損事故を補償範囲に含めるのがおすすめです。
掛金は高くなってしまいますが、運転に慣れてきたら補償を外せば良いのですし、実際にお客様から「自損事故で廃車になってしまったので補償をつけていて本当に良かった」と言っていただけることも多かったです。
2 車を購入してからどのくらい経っているか
購入したばかりの場合、車幅などが変わり運転間隔がつかめておらず、自損事故が増える傾向にあります。
自信がないという方は、慣れるまでの1〜2年は自損事故補償をつけ、慣れてから外すという方法をおすすめします。
3 運転者が高齢者の場合
最近運転していて不安に思ったことやミスしたことはなかったか確認し、不安があるようであれば自損事故を補償範囲に含めることをおすすめします。
高齢のお客様は、ご自身から「運転が心配になってきた」と相談があり、補償範囲を変更するケースも多いです。
4 自損事故により高額の修理(または買替え)が必要になった場合、費用を負担できるか
節約のために必要最低限の補償を希望されるお客様もいらっしゃいます。
その場合は「もし事故にあい修理が必要になった場合、支払いできるか?」という点を考えていただくように提案します。
運転に自信があっても、事故に巻き込まれることはあります。
また、駐車して戻ってきたら車にへこみや大きな傷が・・・!という場合は自損事故を補償範囲に含めていないと補償されません。
小さな傷なら自費で直したら良いのですが、大きな傷だとドアの取り替えが必要になったりと、自分に非がないにも関わらず突然の大きな出費になってしまうこともあります。
目安の安さにとらわれて、実際に必要な補償を見逃してしまうことがないように、よく検討しましょう。
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自動車保険の掛金を抑えるポイントとコツ
車両保険以外に掛金を抑えるポイント
ここまで、自分に合った車両保険を選ぶことで、掛金を節約したり、または事故時に必要な修理費用をカバーすることができるということをお話ししました。
ここからは、さらに自動車保険の掛金を抑えるポイントとコツについて解説していきたいと思います。
ポイント1:免責をつける
車両保障は付けたいが、安くする方法は無いかとよく質問を受けます。
車両保険に免責をつける事で掛金が安くなります。
免責とは、もし事故があったとしても自己負担となる金額です。
例えば、事故により修理費が20万円かかった場合、5万円の免責を付けていた場合には20万円−5万円=15万円が保険会社から支払われる訳です。
免責額については、保険会社によって違いますが、一般的に5万円または10万円が多いです。
保険会社によっては「1年間の内1回目の事故は免責0円、2回目からは10万円」などという場合もあるようです。
免責をつけることで掛金は減らせますが、免責=自己負担があることを了承の上、自分に必要な補償内容を設定しましょう。
ポイント2:年齢制限をつける
自動車保険は、運転者の年齢制限をつけることで掛金を安くできます。
年齢制限の範囲は一般的に、
・全年齢
・21歳以上
・26歳以上
・35歳以上
であることが多いです。
年齢制限を35歳以上にするのが一番掛金も安くすみますが、その場合には35歳以下で同居のご家族が運転した際に保障外になる事がありますので注意してください。
ただし保険会社によっては、
・県外で一人暮らしをしている未婚の子が帰省してきて運転する場合、年齢条件に当てはまらなくても補償される
などの例外を設けていることがあるので、保険会社に確認しながら年齢制限を検討しましょう。
ポイント3:家族限定・運転者限定をつける
自動車保険は、運転者の範囲を限定することで掛金を安くすることができます。
こちらも保険会社によってまちまちですが、
・同居家族限定
・運転者1人限定
・夫婦限定
など、運転する人の範囲を限定して保障する方法もあります。
運転する人が限られている場合、保障範囲を狭くする事で掛け金が抑えられるのならお得ですね!
ポイント4:保険会社ごとの掛金を比較する
自分に合った補償内容の選び方がわかったら、保険会社に見積もりを依頼しましょう。
同じ補償内容でも、保険会社によって掛金が異なるため、見積もり依頼して比較することで掛金を節約できます。
見積もりは、自動車保険の一括見積もりができるサイトからの依頼が便利です。
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豆知識★ 代行業者による事故は補償されるのか?
お客様から、
「よくお酒を飲みに行くので代行を利用するんだけど、代行の人が事故を起こしたら保険使えるの?」
と聞かれた事が何回かあります。
・・・なるほど。それは考えた事が無かったと思い、調べてみました。
<結論>
車の所有者が加入している自動車保険は使えません。
自動車代行運転を営業する際には、『自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律』により、保険の加入が義務付けられています。
そのため、基本的には事故が起きた場合は代行業者が加入している保険で補償されることになります。
ただし、無届けや無認可の場合には加入していない業者もあるかもしれません・・・。
そんな業者にお願いする事の無いように注意しなくてはいけませんね。
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その他、自動車保険を契約する際に気をつけてほしいこと
その1:補償内容を知ってほしい!
更新や車両入替のタイミングなどで、今どんな補償に入っていたか確認したいと相談される事が多くありました。
正直なところ、私もこの仕事をするまでは車の保険なんて保険会社におまかせで、どうなっているか知りませんでした。
実際に、補償内容を説明すると充分に理解しておられる方はほんの一握り。
ほとんどの方が、内容までは分からない。と言う方です。
聞きにくい。など思わず、いくらでも聞いてほしい!と言うのが保険外交員の希望です。
万が一事故にあった際に、補償できない・・と言うのは保険外交員としても残念なので、内容を知り見直して頂きたいです。
その2:特約の確認・見直し
保険会社によって、差別化をはかるために特別な補償が設定されていることがあります。
ここ1〜2年で多く目にするようになったのが、新車を購入した方向けの「車両新価特約」です。
逆に、長年同じ車に乗り続け車両価格が低くなった方向けの「車両超過修理費保障特約」というものもあります。
加入される方の状況に合った特約を、上手に利用しましょう。
その3:地震・噴火・津波の際は補償されるの?
近年、自然災害による被害が増えていることもあり、地震や噴火・津波などによる自動車被害が補償されるか心配ですね。
実は、地震や噴火・津波などの自然災害は、自損事故などの幅広い補償をつけても対象外なんです。
これらの補償を受けたい場合には、多くの保険会社で特約として自然災害の補償を用意しているので、特約設定をしましょう。
この場合の補償は、一時金での対応の場合が一般的なようです。(例:上限50万円)
一口に自然災害といっても、雨や台風などの場合は車両保障に加入することで補償されるケースもあるので、必ず加入する保険会社に確認しておきましょう。
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さいごに
自動車保険の仕事に携わっていた際、とてもショックな出来事がありました。
お客様が車対車の事故に遭ってお亡くなりになり、運転されていたご家族も身体が動かせないようになってしまいました。
そのお客様は、毎年更新の際には直接面談して保障内容の相談に乗っていた方でした。
その際に、「年齢的に運転に不安が出てきた」との話がでてきたため、その心配に見合った補償の提案をしてきた結果、お客様の保険内容はとても充実した内容になっていました。
この大きな事故をきっかけに、お客様にはこちらからの提案・説明を怠ってはいけないと強く感じました。
実際に加入内容を決めるのはお客様ですが、保険会社による提案や説明は充分に行われるべきですし、契約者側も遠慮をせず、わからないことや知りたいことはどんどん質問・相談していきましょう。
『事故を起こさなかったから保険料が無駄だった』とは思わず、納得された契約内容で万が一に備えて欲しいと思っています。
そして何よりも、事故が起きないように気をつけて運転する事が一番大切です!
【おすすめ】自動車保険の一括見積で掛金を節約
補償内容や掛金は保険会社によって異なります。
同じ補償内容なら、掛金が少ない保険会社を選ぶことで節約ができますね。
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